日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

2023-01-01から1年間の記事一覧

問 1.2 5項

とする.このとき が成立する. (証明の方針) と置く.いま を示す.そのために をいえばよい. 1 (1) 前提 1 (2) 1. ∀-除去 3 (3) 仮定 ☆ 1 (4) 2-3. →-導入 1 (5) したがってが示された. ☆について であるからとの元はすべてに属するので,このような仮定…

定義1.1.18

とする.このとき,ととを含むの最小の部分群を で表し,とにより生成された部分群という. 補足 とする.このとき より より に表示を改める.もっとも のように書いてもよい.

定理 1.1.17 4項

有限群 とする.このとき である. (証明の方針) を示す. より である.とくにから がわかる.これより単位元の性質を考えると,単位元は交換性があるので が成立する.したがって,である.

定理 1.1.15 ラグランジュ 4項

とする.このとき が成立する.但し,は積(掛け算)を表す. (証明の方針) ① 有限群の部分群は有限群か? よりも有限群である.これより と定める. ② に関して集合族の位数とは何か? 位数が有限個のとから成るの位数も有限個である.いま と置けば i.e. と…

問1.1 4項

の内包 i.e. i.e. i.e. 但し とする.も同様.このとき が成立する. (証明の方針) に対して を示す.条件とくにであるから よりについて,はの元同士の演算が働くので,に関して i.e. を成す.これより と表示してもよい.も同様. これより,に対して であ…

定理 1.1.13 3項

巡回群の部分群は巡回群である i.e. s.t. < > 但し < > < > とする.このとき巡回群< >,< >に対して < > < > である. (証明の方針) 条件,は巡回群より < > < > で表されるときから < > < > を得る.

命題1.1.11 3項

< > とする.このとき (1) < > (2) < >はを含むの最小の部分群 である. (証明の方針) (1)について < >より< >の元はすべて群に属するので,< >はの演算に関して群を成す.したがって< > である. (2)について をを含むとする.このとき < > ☆ を示す.条件…

系 1.1.8 3項

とする. (1) のとき (2) のとき (証明の方針) (1)について (⇒) を仮定する.の条件よりであるから と書ける.それゆえ が成立する. (⇐) を仮定する.条件よりはの演算に関して群を成すので,の単位元をがもつ. (2)について (2)も(1)と同様の理由で示され…

定理 1.1.7 部分群の判定定理 2項

とする.このとき,がの部分群であるための必要十分条件はが次をみたすことである. (ⅰ) (ⅱ) また,(ⅰ),(ⅱ)は次の(ⅲ)と同値である. (ⅲ) 但し である. (証明の方針) を示したい.そのために (ア) (イ) を示す. (ア)について と仮定する.このとき,条件か…

部分群について 2項

とする.このときの単位元のみから成る集合に対して が成立する.また,についても,自身の部分群 である. (証明の方針) (ⅰ) (ⅱ) (ⅲ) (ⅳ) ☆ によりがとれる. を示す. (ⅰ) 1 (1) 前提 2 (2) 仮定 1 (3) 1-2. →-導入 (ⅱ) 両辺が等しいことをいう. それゆえ…

逆元の逆元は元に戻ることについて 2項

主張 (証明の方針) とする.このときの逆元とは をいう.但し (唯一つ) である.いま を示したい.そのために を示す. 1 (1) 前提 1 (2) 1. ∀-除去 3 (3) 仮定 4 (4) 仮定 3,4 (5) 3,4. →-除去 3,4 (6) 5. ∧-除去 3,4 (7) 5. ∧-除去 ここで,の自由変項を用…

命題 1.1.3 (2) 1項

とする.このとき が成立する.但し である. (証明の方針) (ア) (イ) をみたすようなが唯一つであることを示したい.そのために,まず s.t. という記号の意味について考える.の任意の元に対して,条件をみたすようなのある元が存在する.また,そのような…

命題 1.1.3 (1) 1項

とする.このとき が成立する.但し である. (証明の方針) 群の単位元について とはどういう意味だろうか. s.t. () つまり,というのがに存在するときに,任意のの元について条件をみたす.が存在しないときも,その条件で書ける,と解釈できる. 一方,19…

連立一次不等式の整数解の個数 65項

とする.このとき > < をともにみたすがちょうど3個となるようなの値の範囲を求めよ. (解答の方針) まず,一次不等式の整数解について解く. s.t. > < < < 代表として,自由変数で考える. 1 (1) > < 前提 2 (2) > < 仮定 2 (3) > 2. ∧-除去 i.e. > i.e. > …

不等式に関する値の範囲

問 < < , < < のとき,次の式の値の範囲を求めよ. (ア) (イ) (解答) とする. (ア)について < < < < 1 (1) < < 前提 2 (2) < < 仮定 2 (3) < 2. ∧-除去 > > 2 (4) < 2. ∧-除去 > > 2 (5) < < 3,4. ∧-導入 2 (6) < < 5. ∃-導入 1 (7) < < 1,2-6. ∃-除去 (イ…

抽象化(形式化)の限界

とする.このとき は成立するか? (証明の方針) i.e. を試行する.もし,記号の一切の中身を問うことをしなければ,この判断も真と成る. 1 (1) 前提 1 (2) 1. ∀-除去 3 (3) 仮定 1 (4) 2-3. →-導入 1 (5) 1,4. ∀-導入 この場合,(4)で記号の中身を問う必要…

絶対方程式・不等式

問 次の方程式,不等式を解け. (ア) (解答の方針) s.t. i.e. を示す. (解答) 1 (1) 前提 2 (2) 仮定 i.e. i.e. i.e. 2 (3) 2. ∃-導入 1 (4) 1,2-3. ∃-除去 (イ) > (解答の方針) s.t. > i.e. > < < ]]を示す. (解答) 1 (1) > 前提 2 (2) > 仮定 i.e. > i…

一次不等式 2

問 次の連立不等式を解け. > (解答の方針) s.t. > i.e. > < を示す. (解答) 1 (1) > 前提 2 (2) > 仮定 2 (3) 2. ∧-除去 i.e. i.e. 2 (4) > 2. ∧-除去 i.e. > i.e. < 2 (5) < 3,4. ∧-導入 i.e. < 2 (6) < 5. ∃-導入 1 (7) < 1,2-6. ∃-除去

一次不等式 1

問 次の不等式を解け. < (解答の方針) < i.e. < > を示す. (解答) 1 (1) < 前提 1 (2) < 1. ∀-除去 3 (3) 仮定 1,3 (4) < 2,3. →-除去 i.e. < i.e. > 1 (5) > 3-4. →-導入 1 (6) > 5. ∀-導入

部分集合の不成立の例

とする.このとき は不成立である. (証明の方針) の要素(3の倍数)がすべて(6の倍数)に属するわけではない,ということを示したい.自然演繹ではどの段階で,この「属するわけではない」が言えるのかをたしかめる. 1 (1) 前提 1 (2) 1. ∀-除去 ここで,たと…

全称判断について(部分集合の例)

とする.このとき が成立する. (証明の方針) 一階述語論理でがに包まれることを示したい.そのために を示す.すなわち すべての自然数に対して をいう.すなわち を示したい. 自然演繹 1 (1) 前提 1 (2) 1. ∀-除去 3 (3) 仮定 1,3 (4) 2,3. →-除去 1 (5) …

単項式の乗法

単項式の乗法 とする.このとき次の式を計算せよ. (解答) (1) (2) (3) (4) 指数の定義 (正整数) (与えられた正整数) (与えられた実数) とする.このとき と定め,このをの指数という. ☆ 注意 「s.t.」が入らないときは,「与えられた数」と表示する. 指数…

単項式の次数と係数

とする.このとき,次の単項式の次数と係数を答えよ.また,〔 〕内の文字に着目したときの次数と係数を答えよ. (1) (解答) ① ② ③ (2) (解答) ① ② ③

定理2.5 17項

とする.このとき (1) に対して (ア) (イ) (2) 分配法則 (ア) (イ) (3) (ア) (イ) が成立する. (証明) (1) (ア) を示す. を仮定する.このとき s.t. に対して と置けば,についてもが存在する.したがって,→-導入より と書ける.すなわち が成立する. (…

和集合と共通部分

とする. 和集合 s.t. 共通部分 但しは自由変項

定理2.1 (1)と(2) 13項

とする.このとき,次が成立する. (1) (ア) (イ) (2) (ア) (イ) (証明) (1) (ア) を示す. を仮定する.このとき,∨-導入より i.e. を得る.したがって,→-導入から(ア)が示された. (イ) (ア)と同様に示される. (2) (ア) を示す. を仮定する.このとき …

定理2.2 結合法則 定理2.1 (3)の別証 14項

定理2.2 とする.このとき (ア) (イ) が成立する. (証明) (ア) ① を示す. を仮定する.このとき i.e. (選言三段論法) i.e. (選言三段論法) i.e. (∨-導入) i.e. i.e. したがって,→-導入より を得る. ② も①と同様に示される. (イ) ① を示す. を仮定する…

定理1.3 10項

とする.このとき が成立する. (証明) を仮定し,を導出する.を仮定すると∧-除去より i.e. i.e. と書ける.ここで,を仮定すると→-除去より を得る.このようなに対して,→-除去を適用すれば が導き出される.それゆえ,→-導入より i.e. が示された.▢

命題1.2 9項

とする.このとき,次のことが成り立つ. (ⅰ) (ⅱ) (ⅲ) (ⅰ)に関する補足 数学では強選言を採用していると考えるので,とは異なるものと考える.いま,に対して と書けるとする.このとき選言三段論法によって,を否定する.しかし,これは直接を否定している…

例1.6 9項 

と置く.このときである. (証明) (⇒) s.t. を示す. を仮定すると,の条件より () と書くことができる.いま と置くと i.e. を得る.これより,→-導入から が成立する. (⇐) s.t. を示す. を仮定すると,の条件よりは和と積で閉じているので で表される.…