日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

2023-01-01から1年間の記事一覧

例 1.5 9項

と置く.このときである. 補足 ではないので,ではない.それゆえ 乃至(強選言) とは表せない.ここで,強選言とは,どちらか一方が成立しそれを選べる,という意味である. (証明) s.t. を示す. を仮定するとの性質より () と書ける.いま と置けばである…

第1章 微分法 第1節 極限値 1. 極限

実数で考えるが,自由変項を扱う実関数を写像と呼ぶことにする. ここでは,関数(束縛変項)ではなく,写像(自由変項)で考える. 自由変項が自由変項以外の値をとりながら,に限りなく近づくとき,写像の値が一定の値に限りなく近づくなら,がに近づくときの…

原始写像とは何か?

原始写像とは何か? 原始関数とは をみたすものをいう.このときの方程式の解を (は自由変項) と置いたものが原始写像である.この原始写像を微分すると (は自由変項) i.e. 写像の積分に成る. の例 に対して方程式を立て,これを解けば i.e. を得る.ここで…

第1章 平面と空間のベクトル 第1節 ベクトルとその演算 1. ベクトル

用語(唯名的定義) 平面または(乃至)空間に置いて,を始点,を終点とする有向線分をで表す. 有向線分に置いて,その位置を問題にせず,その大きさと向きだけを考えたとき,これをベクトルという.これより,有向線分をベクトルと考えたとき,もし,がから平…

定積分 84項

定積分 84項 関数が区間(自由変項)で連続で正の値 > をとるとき,面積は原始関数である.いま,原始関数に対して,と置くとゆえ,である.また,と置けばゆえ,.これより で表す.そしてこれをライプニッツの記号で と書くとき,関数の定積分という.

原始関数(不定積分) 83項

原始関数(不定積分) 83項 正確な議論は次節で行う.いま,区間(自由変項)上で連続で,正の値 > をとる関数を考える.そのグラフ及び軸と直線,直線で囲まれた面積をと置く.これをの関数と考えたい.ここで, > を十分小さい実数としてを考えると,の周りで…

相加平均と相乗平均 78項

s.t. > が成立する.但し,等号はのとき,そのときのみ成り立つ. (証明) 等号を示す.に関してと置き s.t. s.t. を示す. であるから,これを量化して を得る.不等号は∨-導入による.▢

曲線の媒介変数表示と特異点 73項

曲線の媒介変数表示 73項 平面を運動する点 但し s.t. s.t. は曲線を描く.一般に平面上の曲線上の点の-座標,-座標が自由変項(時間とは限らない)の関数として で表されるとき,を媒介変数(パラメータ)とする曲線の媒介変数表示(パラメータ表示)とよぶ. 特…

物体の位置に関する速さの点は静止状態であり時刻のみが動くことについて

速度と加速度 i.e. 実数直線上の点 とする.このとき,点の位置を とする.但し である.そして,導関数 を速度とよぶ. また, > < )とはが軸上,正の方向(または負の方向)へ進むことを意味する.ここで,を速さという. まとめ s.t. より () また, s.t. …

命題1.2 9項

命題1.2 9項 とする.このとき次が成立する. (1) (2) (3) (証明) (1)について s.t. を示す.を仮定すると→-導入より であるから,これを量化すれば を得る. (2)について s.t. を示す.を仮定する.いま排中律より である.ここで,を仮定し,これに選言三…

演習2 三角不等式 6項

演習2 三角不等式 6項 座標平面に対して点の間の距離を で定める.いま,1つの点について三角不等式 が成立する. (証明) 等号の関係を示せば,∨-導入により不等号が示される.すなわち i.e. である. に対して s.t. s.t. と置けば 同様にして であるから ☆ …

定理2 19項

定理2 19項 (写像) 但しは次元ベクトル とする(一次写像の前提).このとき,次元ベクトル空間から次元ベクトル空間への1つの写像を定義する.逆に次元ベクトル空間から次元ベクトル空間への1つの一次写像は1つの行列によって () (準備) 順は先に示されたので…

定理2.13 テイラーの定理 58項

定理2.13 テイラーの定理 58項 関数は区間(は自由変項)で-関数であり,区間で回微分可能とする.但し,とは s.t. をいう.このとき をみたす( < < )が存在する( < でも成立).すなわちより である. (証明) s.t. s.t. に対して関数は で表される.このとき …

n回連続微分可能な関数・何回でも微分可能な関数 57項

n回連続微分可能な関数・何回でも微分可能な関数 57項 s.t. に対して,回微分可能でが連続である関数を回連続微分可能な関数(-関数)とよぶ.そして,-関数とは連続関数を指す.また何回でも微分可能な関数を-関数という.

関数が1個の点で極大(極小)であること 57項

極大・極小 57項 とする.このとき,がで極大(極小)とは > > < < < ( > ) i.e. s.t. ① s.t. ② < < < をみたすことをいう.とくにを極大値(極小値)とよぶ. もし関数の右側極限しか考えられないのなら > < < < である.

一次写像(線型写像) 14項

写像 次元ベクトル空間から,次元ベクトル空間への写像を考える.すなわち,により次元ベクトルに次元ベクトルが対応するとき あるいは と書く. 上への写像 に対して,となるようなが少なくとも1個存在する. i.e. s.t. i.e. s.t. ① s.t. ② をみたすとき,…

ある集合族の構成 5項

s.t. s.t. > とする.このとき (1) (2) (3) s.t. (4) が成立する. (証明) (1)について > を示す. > を仮定する.たとえば s.t. s.t. を構成すると i.e. (量化) を得る. (2)について > を仮定する.たとえば s.t. s.t. を構成すると少なくとも1組は > をみ…

例1.6 9項

例1.6 9項 と置く.このとき,である. (証明) を示す. (1) のとき に対して をいう.を仮定する.このとき s.t. s.t. i.e. i.e. である.したがって,これらを量化すれば を得る. (1) のとき s.t. に対して を示す.と仮定する.このとき s.t. s.t. i.e. …

集合の相等を示す方法

とする.このときを示す方法には次の3個がある. (1) i.e. (2) が成立しているとき,たとえばが成り立ち,これに∨-導入を適用した場合.すなわち i.e. i.e. (選言三段論法) (3) i.e. i.e. (∧-除去) i.e. (選言三段論法) しかし,(2)と(3)は通用しない場合が…

定理2.8 平均値の定理 55項

定理2.8 平均値の定理 55項 とする.このときが区間で連続・微分可能なら s.t. < < s.t. が成立する. (証明) 区間で適当に < < となるようにを選んで,が区間で連続・微分可能より () に対して である.より であるから i.e. 同様にして,より i.e. を得る…

定理2.7 ロルの定理 54項

定理2.7 ロルの定理 54項 とする.このとき,が(開閉どちらでも)区間で連続,(開閉どちらでも)区間で微分可能なときとなる( < < )が存在する. (準備) 関数について s.t. s.t. s.t. i.e. とする. 閉区間について i.e. < < 選言三段論法 開区間について < < …

正則行列の性質 14項

正則行列の性質 14項 とする.このとき,が正則なら,も正則で が成立する. (証明) が正則であることを仮定し (1) が正則 (2) と書ける を示す. s.t. と置くと で表示される. (1)について 数に対して,数の性質より であり であるからは正則である. (2)…

ラッセルの背理(パラドックス) 3項

ラッセルの背理(パラドックス) 3項 とする.このとき,は自身をその元にもたない. i.e. これを普通の集合と考える.そして,普通の集合全体から成る対象を普遍的なものと考えと記す.いま i.e. 単なる集合でもあり普通の集合でもあるもの とする(仮定する)…

十分大きなすべての実数 4項

十分大きなすべての実数 4項 判断 十分大きなすべての実数が集合に属する i.e. 従来の表記 > , i.e. 新しい表記 とする.このとき s.t. ① s.t. ② > で表す.

部分集合の例1.5 9項

部分集合の例1.5 9項 と置く.このときである. (証明) を示す. s.t. と置けば () であるから,量化より i.e. を得る.逆に s.t. と置くと () であるから,量化より i.e. である.したがって であるが,についてのときである.すなわち (量化) である.この…

集合に関する包含関係の三者一択の法則

包含関係 はを表す. はを表す. このとき,三者択一の法則とは のうち1個のみが成立する,ことをいう. 等号関係 とする.このとき とはが成り立つことをいう. の意味 とはである.ここで三者択一の法則から選言は排他的選言(強選言)である.実際 (1) 仮定…

正則行列(方程式が解をもつ行列) 14項

正則行列(方程式が解をもつ行列) 14項 とする.このとき (1) (2) を成す. (証明) s.t. に対して (数) で表す. (1)について 数に関して積はその数の性質より正則である.なぜなら となるが少なくとも1個存在するからである. (2)について 数の性質より であ…

定理2.6 逆関数の微分法 48項

定理2.6 逆関数の微分法 48項 とする.このときが(閉または開)区間で単調で微分可能なら,その逆関数はとなるで微分可能で と書ける. (証明) s.t. ① s.t. ② s.t. ③ に対してと置く.条件よりを微分すると i.e. である.とくに i.e. (量化) と書ける.一方,…

定理2.5 合成関数の微分法 47項

定理2.5 合成関数の微分法 47項 とする.このときの合成関数 は微分可能で と表される. (証明) s.t. ① s.t. ② s.t. ③ s.t. ④ に対してと置く.このとき,条件から関数は微分可能であるから i.e. i.e. である.そして,合成関数 について,その微分は である…

逆行列について 14項

逆行列について 14項 とする.このとき (18) (ア) (イ) が成立する. 補足 逆行列というのは,の方程式の解が存在した場合の話である. (証明) s.t. と置く.このときそれぞれの行列は と表される.証明は次の通りである.数の性質から が成立する.▢