日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

原始関数(不定積分) 83項

 正確な議論は次節で行う.いま,区間 a,b(自由変項)上で連続で,正の値 f(x) >  0をとる関数 y=f(x)を考える.そのグラフ及び x軸と直線 x=a,直線 x=xで囲まれた面積を S(x)と置く.これを xの関数と考えたい.ここで, h >  0を十分小さい実数として S(x+h)を考えると, xの周りでの f(x)の増減に従って

 hf(x)≤S(x+h)-S(x)≤hf(x+h)

か,または

 hf(x)≥S(x+h)-S(x)≥hf(x+h)

が成立する.これより

 f(x)≤\displaystyle\frac{S(x+h)-S(x)}{h}≤f(x+h)

または

 f(x)≥\displaystyle\frac{S(x+h)-S(x)}{h}≥f(x+h)

と成る.いま, h→0とすることにより

 \displaystyle\frac{S(x+h)-S(x)}{h}→f(x)  ( h→+0)

☆ 右側極限のみを考える

 すなわち,面積 S(x)は(右側)微分可能で S'(x)=f(x)である.一般に関数 f(x)に対し F'(x)=f(x)と成る微分可能な関数 F(x) f(x)の原始関数(不定積分)とよび,ライプニッツの記号で

 F(x)=:\displaystyle\int f(x)dx

と書く.

  • まとめ1

 \mathbb{Z}^+=\{1,2,...,n,n+1,......\}

 x=[a_1,...,a_n]_{\mathbb{R}} s.t.

 F'(x)=f(x)=0

と成る微分可能な F(x) f(x)の原始関数という.すなわち

 F(x)=:\displaystyle\int f(x)dx=\displaystyle\int 0 dx=C  ( Cは自由変項)

  • まとめ2

①  F'(x)=f(x)=0をみたすような F(x)を関数 f(x)の原始関数

②  原始関数とは記号\displaystyle\int f(x)dx:=F(x)で表す

①と②より

 F(x)=:\displaystyle\int f(x)dx=\displaystyle\int F'(x)dx=\displaystyle\int 0 dx =C

であるから

 F(x)=:C

と書ける.これより,関数 f(x)の原始関数 F(x)は自由変項 Cである.