日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

難波誠『(数学シリーズ)微分積分学』裳華房 2022年 第17版 12刷

定積分 84項

定積分 84項 関数が区間(自由変項)で連続で正の値 > をとるとき,面積は原始関数である.いま,原始関数に対して,と置くとゆえ,である.また,と置けばゆえ,.これより で表す.そしてこれをライプニッツの記号で と書くとき,関数の定積分という.

原始関数(不定積分) 83項

原始関数(不定積分) 83項 正確な議論は次節で行う.いま,区間(自由変項)上で連続で,正の値 > をとる関数を考える.そのグラフ及び軸と直線,直線で囲まれた面積をと置く.これをの関数と考えたい.ここで, > を十分小さい実数としてを考えると,の周りで…

相加平均と相乗平均 78項

s.t. > が成立する.但し,等号はのとき,そのときのみ成り立つ. (証明) 等号を示す.に関してと置き s.t. s.t. を示す. であるから,これを量化して を得る.不等号は∨-導入による.▢

曲線の媒介変数表示と特異点 73項

曲線の媒介変数表示 73項 平面を運動する点 但し s.t. s.t. は曲線を描く.一般に平面上の曲線上の点の-座標,-座標が自由変項(時間とは限らない)の関数として で表されるとき,を媒介変数(パラメータ)とする曲線の媒介変数表示(パラメータ表示)とよぶ. 特…

物体の位置に関する速さの点は静止状態であり時刻のみが動くことについて

速度と加速度 i.e. 実数直線上の点 とする.このとき,点の位置を とする.但し である.そして,導関数 を速度とよぶ. また, > < )とはが軸上,正の方向(または負の方向)へ進むことを意味する.ここで,を速さという. まとめ s.t. より () また, s.t. …

定理2.13 テイラーの定理 58項

定理2.13 テイラーの定理 58項 関数は区間(は自由変項)で-関数であり,区間で回微分可能とする.但し,とは s.t. をいう.このとき をみたす( < < )が存在する( < でも成立).すなわちより である. (証明) s.t. s.t. に対して関数は で表される.このとき …

n回連続微分可能な関数・何回でも微分可能な関数 57項

n回連続微分可能な関数・何回でも微分可能な関数 57項 s.t. に対して,回微分可能でが連続である関数を回連続微分可能な関数(-関数)とよぶ.そして,-関数とは連続関数を指す.また何回でも微分可能な関数を-関数という.

関数が1個の点で極大(極小)であること 57項

極大・極小 57項 とする.このとき,がで極大(極小)とは > > < < < ( > ) i.e. s.t. ① s.t. ② < < < をみたすことをいう.とくにを極大値(極小値)とよぶ. もし関数の右側極限しか考えられないのなら > < < < である.

定理2.8 平均値の定理 55項

定理2.8 平均値の定理 55項 とする.このときが区間で連続・微分可能なら s.t. < < s.t. が成立する. (証明) 区間で適当に < < となるようにを選んで,が区間で連続・微分可能より () に対して である.より であるから i.e. 同様にして,より i.e. を得る…

定理2.7 ロルの定理 54項

定理2.7 ロルの定理 54項 とする.このとき,が(開閉どちらでも)区間で連続,(開閉どちらでも)区間で微分可能なときとなる( < < )が存在する. (準備) 関数について s.t. s.t. s.t. i.e. とする. 閉区間について i.e. < < 選言三段論法 開区間について < < …

定理2.6 逆関数の微分法 48項

定理2.6 逆関数の微分法 48項 とする.このときが(閉または開)区間で単調で微分可能なら,その逆関数はとなるで微分可能で と書ける. (証明) s.t. ① s.t. ② s.t. ③ に対してと置く.条件よりを微分すると i.e. である.とくに i.e. (量化) と書ける.一方,…

定理2.5 合成関数の微分法 47項

定理2.5 合成関数の微分法 47項 とする.このときの合成関数 は微分可能で と表される. (証明) s.t. ① s.t. ② s.t. ③ s.t. ④ に対してと置く.このとき,条件から関数は微分可能であるから i.e. i.e. である.そして,合成関数 について,その微分は である…

定理2.2 43項

定理2.2 43項 関数とがで微分可能ならも微分可能で (1) (2) (3) () (4) (5) () と書ける. (証明) (1)について 条件よりはで微分可能であるから が存在する.同様にについても がある.このときも微分可能であり と書けることを示す. いま に対して s.t. s.…

定理2.1の系 43項

定理2.1の系 43項 関数が点で微分可能なら,関数はで連続である. (証明) 関数がで微分可能である,と仮定すると () がで存在する. 補足 i.e. () これがおそらく無限回微分可能のことだと思われる このとき s.t. s.t. s.t. に対して < < () i.e. < < (量化)…

定理2.1 微分可能性の必要十分条件 42項

・用語 「の周りで」とは, > が存在して,開区間で,という意味である. 定理2.1 微分可能性の必要十分条件 42項 とする.このとき がで微分可能である と書けることをいう.但し,は自由変項,はの周りで定義された関数で,で連続,をみたす(このときであ…

定理1.23 一様連続性 36項

定理1.23 一様連続性 36項 とする.このときがで連続なら s.t. ① s.t. ① s.t. ② s.t. ② に対して < < が成立する.このことを,連続関数は閉区間上で一様連続である,という. 準備 閉区間で連続関数が与えられているので i.e. (∧-除去,選言三段論法による)…

定理1.22 33項

定理1.22 33項 とする.このときの逆関数は単調増加(単調減少)連続関数である. (準備) 逆関数 関数に対して,をの逆関数という. 関数が単調増加であること s.t. ① s.t. ② 関数に関して < < をみたすとき,を単調増加関数とよぶ.また > > をみたすとき,を…

定理1. 21 32項

定理1. 21 32項 連続関数の合成関数は連続関数である (準備) とする.このとき,関数がで連続とは () i.e. s.t. ① s.t. ① s.t. ② に対して < < と成ることである. ・合成関数とは 2個の関数 に対して に成ることをいう. (証明) s.t. ① s.t. ② s.t. ③ s.t. …

定理1.20 32項

定理1.20 32項 :自由変項の閉区間 とする.このとき,上のの値域はである.但し を表す. (証明) に対してである.このとき ∧ i.e. (∧-除去) i.e. < ∨ < (仮定) (選言三段論法) 同様にして したがって を得る.同様にしてについても である.これより s.t. …

定理1.19 中間値の定理 31項

定理1.19 中間値の定理 31項 < とする.このとき s.t. < < ① s.t. ① が成立する( > も同様). (証明) 補足 正の実関数について s.t. s.t. とする.このとき s.t. が唯一つ成立する. と置き , に対して とし < より < < を示す.たとえば , (条件 < ) につ…

定理1.18 最大値と最小値の存在 30項

定理1.18 最大値と最小値の存在 30項 とする.このとき,閉区間上の連続関数は最大値と最小値をもつ.すなわち に対して が成立する.但し,を最大値,を最小値とよぶ. (証明) 準備 s.t. () ① s.t. () ② とする.連続関数について と置けば と書ける.この…

定理1.7の系 25項

定理1.7の系 25項 多項式は連続関数である.また,有理式は分母がにならない所で連続関数である. (証明) (1) 多項式について s.t. () () と置く.このとき に対して () を示す.但し である.多項式に対してと置けば () であるから,実質的に多項式関数を実…

定理1.17 25項

定理1.17 25項 とする.このとき,連続関数の和,差,積,商は連続関数である. (略記) < () 和: < 差: < 積: < 商: < による.▢

定理1.16 25項

定理1.16 25項 とする.このとき がで連続 となる数列に対して () と成ることである. (証明) () がで連続と仮定し,以下のような数列 s.t. () ① s.t. () ① s.t. () ② s.t. () ③ s.t. () ④ < に対して > < が成り立つことを示す. と置くと < であり > < が…

例1.8 23項

() を示せ. (証明) と変形する.このとき s.t. () ① s.t. () ① s.t. () ② に対して と置けば であるから > < i.e. > < が成立する.▢

左からの極限に関して0<x-a<δとは何か?

左側極限に関するδの扱いについて < < < を考える.たとえば のとき < < i.e. < < と成る正の実数は存在しない.これより左からの極限 は考えないことにする.そして,は非負の実数であると考える.▢

関数の右側極限がプラス無限大に発散する例

(証明) s.t. () ① s.t. () ① s.t. () ② に対して と置けば < < > であるので,この関数はに発散する.▢

定理1.15 関数に対するコーシーの収束条件 20項

定理1.15 関数に対するコーシーの収束条件 20項 とする. のときがに収束する s.t. () ① s.t. () ① s.t. () ② s.t. () ② < < ∧ < < < である.尤も,のときは自明. (証明) () () と仮定する.すなわち と置く.このとき に対して と置けば < < ∧ < < < が成…

定理1.14 20項

定理1.14 20項 とする.このとき () (),である数列に対し と成ることである.但し,とは s.t. () を意味する. (証明) () がに収束する,と仮定する.まず と置く. s.t. () ① s.t. () ① s.t. () ② < < < s.t. () ① s.t. () ② < に対して < を示す. につい…

定理1.13 20項

定理1.3 20項 極限値が存在すれば,関数は実数定数の周りで有界である.すなわち s.t. () ① s.t. () ① s.t. () ② < < s.t. () ③ < と成る.但し,ここでのはである(). (証明) と置くと に対して < < < ☆ () であるから < i.e. < により と置けばよい.▢ 補…