日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

定理2.6 逆関数の微分法 48項

 f(x)=y:xの関数

とする.このとき f(x)が(閉または開)区間で単調で微分可能なら,その逆関数 f^{-1}(y)=x f'(x)≠0となる y微分可能で

 (f^{-1})'(y)=\displaystyle\frac{1}{f'(x)}

と書ける.

(証明)

 \mathbb{Z}^+=\{1,2,...,n,n+1,......\}

 k=[n]_{\mathbb{Z}^+} s.t.  ①

 x=[a_1,...,a_n]_{\mathbb{R}^+} s.t.  ②

 y=[b_1,...,b_n]_{\mathbb{R}^+} s.t.  ③

 f(x)=y

に対して n:=1と置く.条件より f(x)微分すると

 f'(a_1)=b_1 i.e.  f'(a_1)=0

である.とくに

 f'(a_1)=0 i.e.  f'(x)=y'  (量化)

と書ける.一方, f逆関数 f^{-1}微分すると

 (f^{-1})'(b_1)=0 i.e.  (f^{-1})'(y)=x'

であるから

 (f^{-1})'(b_1)=f'(a_1)=0

である.したがって

 (f^{-1})'(y)=\displaystyle\frac{1}{f'(x)}=x'=\displaystyle\frac{1}{y'}

を構成することができる.▢

  • 補足

 逆関数微分可能であることを確かめる必要がある,と思われるかも知れないが,しかし,関数 f(x)=y n:=1の場合で微分すると,その値域は必ず 0であるから,定義域を無視して導関数を構成することができる,と考える.

  •  x'=\displaystyle\frac{1}{y'} i.e.  y'=\displaystyle\frac{1}{x'}
  • 補足

 値域が定まっていれば始域の形態は如何を問わない.それが関数(写像)の唯一性である.

例 微分可能な関数とその逆関数

 微分可能な関数 f'(x)=y'に対して,微分可能であるか調べていない逆関数 f^{-1}が存在するとき,もし f'(a_1)=(f^{-1})'(b_1)=0が成立するなら,そのような逆関数微分可能である,と考えてよい.但し

 f'(a_1)=b_1 i.e.  f'(a_1)=0

 (f^{-1})'(b_1)=c_1 i.e.  (f^{-1})'(0)=0  ( c_1は自由変項)

あるいは

 (f^{-1})'(d_1)=c_1 i.e.  (f^{-1})'(d_1)=0  ( d_1は自由変項)

である.つまり,前提条件として微分可能であるかないか,は問われない. =0となる(定数)関数は常に微分可能である.今度,この「=0となる関数は微分可能である」を証明してみたい.