- 定理2.2 43項
(1)
(2)
(3) ()
(4)
(5) ()
と書ける.
(証明)
(1)について
条件よりはで微分可能であるから
が存在する.同様にについても
がある.このときも微分可能であり
と書けることを示す.
いま
に対して
s.t.
s.t. ()
s.t. ()
と置けば
より成る.
(2)について
(1)と同様である.
と置けば
である.
(3)について
より成る.
(4)について
より成る.
(5)について
による.▢
- 補足 関数について
というのは
s.t.
s.t.
s.t. ☆
に対して,たとえばと置いた場合の略記である.関数の始域のどの元が終域のどの元に対応しているのか,具体的には決まっておらず,自由である.これが決まっているものを定数関数(定値写像)とよぶ.今までに対しては定値写像のような表記になっており,重大な誤りを誘導していた.しかし,☆のように考えることで,写像(関数)では単にからが対応している,ということのみがわかっているだけであり,具体的にたとえばがのどの元をとるのか,ということについて言及していなかった.いま,との合成関数を考えると
に対してのときであると考えれば,関数の合成ができる,と解する.ここでも,もちろんsuch.thatの性質「少なくとも1個」が言えればそれで十分である.現在,写像と関数は混同して使用されているが,いつかこれらも区別できるように考えて行きたい.