日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

例 1.5 9項

 A:=\{x|x=6m(m∈\mathbb{Z})\}

 B:=\{y|y=3n(n∈\mathbb{Z})\}

と置く.このとき A⊂Bである.

 

  • 補足

  A=Bではないので, A⊆Bではない.それゆえ

 A⊂B 乃至(強選言)  A=B

とは表せない.ここで,強選言とは,どちらか一方が成立しそれを選べる,という意味である.

 

(証明)

 x∈A s.t.  x∈A ⇒ x∈B

を示す.

  x∈Aを仮定すると Aの性質より

 x=6m  ( m∈\mathbb{Z})

と書ける.いま

 m:=1

と置けば x=6である.他方, Bについて Bの性質から

 y=3n  ( n∈\mathbb{Z})

で表される.このとき n:=2に対して

 y=6

を得る.すなわち

i.e.  6∈A, 6∈B

であるから→-導入より

 6∈A ⇒ 6∈B i.e.  x∈A ⇒ x∈B

(6の自由変項への書き換え)

が導出された.すなわち, A⊂Bが成立する.▢

 

  • 課題

 数を自由変項に何故書き換えられるのかをもっと説明できるようになりたい.たとえば,集合 Aの元 xは方程式の解の集まりだとして,それら解 xを原始関数 F(x)と看做したもの

 x:=F(x)  ( xは自由変項)

すなわち, F(x) xの原始写像である,という前提を付け加えたい. xが何故,自由変項なのかというと,定数関数を微分すると 0になり, 0積分すると積分定数になることから,このような定数を xで表し,原始関数に関わる方程式の解 xと同一視する.そして,以後,定数という言葉を自由変項と呼び,関数を写像ということにする.

 写像 f:A→Bに対して fによる Bの逆像

 f^{-1}(B):=\{x∈A|f(x)∈B\}⊂A

を定める.これより,方程式 f(x):=0の解の全体を Aと看做す.

 

  • 原始写像 F(x) xとは何か?

 通常,たとえば xの関数 f(x) xは束縛変項である.しかし, C:=F(x)と成る x Cが自由変項であるため, xも自由変項である.すなわち
 F(x)に対して x
 x=1
 x=2
 ・・・
と動く.しかし,この段階でたとえば F(1)がどのような値になるのかはわからない.そこで,次のような例を考える.

 1:=F(1)
 2:=F(2)
・・・・・・
と定めるとき,原始関数を改めて x:=F(x)と書ける.但し,この xは自由変項である.

関数:束縛変項で表される数
写像:自由変項で表されるスカラー