日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

福田拓生『集合への入門(無限をかいま見る)』培風館 2018

問題 1.1 5項

とする. 問題 1.1 次の集合を括弧を使って表せ. (1) 数学の「普通」はこのような表示である.しかし,これを論理的に書けば ☆ である.これからはできるだけ☆のように表示して行きたい. (2) (3) < 但し,関数はある終域に属し,は選ばれた終域の中で,す…

定理2.5 17項

とする.このとき (1) に対して (ア) (イ) (2) 分配法則 (ア) (イ) (3) (ア) (イ) が成立する. (証明) (1) (ア) を示す. を仮定する.このとき s.t. に対して と置けば,についてもが存在する.したがって,→-導入より と書ける.すなわち が成立する. (…

定理2.1 (1)と(2) 13項

とする.このとき,次が成立する. (1) (ア) (イ) (2) (ア) (イ) (証明) (1) (ア) を示す. を仮定する.このとき,∨-導入より i.e. を得る.したがって,→-導入から(ア)が示された. (イ) (ア)と同様に示される. (2) (ア) を示す. を仮定する.このとき …

定理2.2 結合法則 定理2.1 (3)の別証 14項

定理2.2 とする.このとき (ア) (イ) が成立する. (証明) (ア) ① を示す. を仮定する.このとき i.e. (選言三段論法) i.e. (選言三段論法) i.e. (∨-導入) i.e. i.e. したがって,→-導入より を得る. ② も①と同様に示される. (イ) ① を示す. を仮定する…

定理1.3 10項

とする.このとき が成立する. (証明) を仮定し,を導出する.を仮定すると∧-除去より i.e. i.e. と書ける.ここで,を仮定すると→-除去より を得る.このようなに対して,→-除去を適用すれば が導き出される.それゆえ,→-導入より i.e. が示された.▢

命題1.2 9項

とする.このとき,次のことが成り立つ. (ⅰ) (ⅱ) (ⅲ) (ⅰ)に関する補足 数学では強選言を採用していると考えるので,とは異なるものと考える.いま,に対して と書けるとする.このとき選言三段論法によって,を否定する.しかし,これは直接を否定している…

例1.6 9項 

と置く.このときである. (証明) (⇒) s.t. を示す. を仮定すると,の条件より () と書くことができる.いま と置くと i.e. を得る.これより,→-導入から が成立する. (⇐) s.t. を示す. を仮定すると,の条件よりは和と積で閉じているので で表される.…

例 1.5 9項

と置く.このときである. 補足 ではないので,ではない.それゆえ 乃至(強選言) とは表せない.ここで,強選言とは,どちらか一方が成立しそれを選べる,という意味である. (証明) s.t. を示す. を仮定するとの性質より () と書ける.いま と置けばである…

命題1.2 9項

命題1.2 9項 とする.このとき次が成立する. (1) (2) (3) (証明) (1)について s.t. を示す.を仮定すると→-導入より であるから,これを量化すれば を得る. (2)について s.t. を示す.を仮定する.いま排中律より である.ここで,を仮定し,これに選言三…

例1.6 9項

例1.6 9項 と置く.このとき,である. (証明) を示す. (1) のとき に対して をいう.を仮定する.このとき s.t. s.t. i.e. i.e. である.したがって,これらを量化すれば を得る. (1) のとき s.t. に対して を示す.と仮定する.このとき s.t. s.t. i.e. …

部分集合の例1.5 9項

部分集合の例1.5 9項 と置く.このときである. (証明) を示す. s.t. と置けば () であるから,量化より i.e. を得る.逆に s.t. と置くと () であるから,量化より i.e. である.したがって であるが,についてのときである.すなわち (量化) である.この…

ラッセルの背理(パラドックス)

ラッセルの背理 但しここではを限量しない.を集合と認めると,次のような矛盾が起こる.を集合と認めると,自身もの元である.すなわち である.今までの集合はたとえばは自分自身を元として含んでいない.したがって,集合とは ① 自分自身を元として含むも…

写像の定義

写像の定義 とする.このとき をの値域といいによる値と呼ぶ. (二重∀-除去) s.t. に対して となるようなを写像と呼ぶ.

定理2.7の系

定理2.7の系 23項 とする.このとき次が成立する. (ⅰ) (ⅱ) (ⅲ) (ⅳ) (証明)(ⅰ)について 定理2.7(ⅰ)より が成立する. (ⅱ)について (ⅰ)と同様. (ⅲ)について 定理2.7(ⅲ)より が成立する. (ⅳ)について (ⅲ)と同様.▢

定理2.7(ド・モルガンの法則)

ド・モルガンの法則 20項 (二重∀-除去) s.t. とする.このとき,次の等式が成立する. (ⅰ) (ⅱ) (ⅲ) (ⅳ) (証明) (ⅰ)について と置く. (二重∀-除去) s.t. (ア) (イ) を示す. (ア)に関して 0,1 (1) 仮定 i.e. 0,1 (2) 1.∧-除去 0,1 (3) 2.∨-導入 4 (4) 仮定 0…

集合の性質(命題2.6)

命題2.6 19項 とする.このとき次の性質が成立する. (ⅰ) (ア) (イ) (ⅱ) (ⅲ) (ⅳ) (ⅴ) (証明) (ⅰ) (ア)について (二重∀-除去) s.t. を示す. 0,1 (1) 仮定 i.e. 0,1 (2) 1.∧-除去 0,1 (3) 1.∧-除去 0,1 (4) 2.∨-導入 0,1 (5) 3,4.三段論法 0 (6) 1-5.→-導入 (…

定義2.3 互いに素と直和

定義2.3 互いに素 18項 (二重∀-除去) s.t. とする.いま,が互いに交わらないときは互いに素である,という. i.e. 直和 互いに素な集合の和集合をの直和と呼び,記号であるいはと表す.但し,である. i.e. i.e. 但し,である.

集合の性質(定理2.5)

定理2.5 17項 (∀-除去) s.t. とする.このとき,次が成立する. ☆注意 このような「~とする」の意味は,もしであるとき次が成り立つ,という仮定の話である. Ⅰ (ⅰ) (ⅱ) Ⅱ 分配法則 (ⅰ) (ⅱ) Ⅲ (ⅰ) (ⅱ) (証明) Ⅰ (ⅰ)について (∀-除去) s.t. を示す. 1 (1) …

定義2.2 和集合及共通集合

定義2.2 16項 Ⅰ 和集合 (∀-除去) とする.このとき である. Ⅱ 共通集合 (∀-除去) (∀-除去) とする.このとき である.

集合の性質(命題2.4)

命題2.4 15項 とする.このとき次が成立する. (1) (ア) (イ) (2) (3) (証明) (1) (ア)について (Ⅰ) (Ⅱ) を示す. (Ⅰ)に関して (∀-除去) をいう. 1 (1) 仮定 (2) 空集合の定義 (3) 1,2.三段論法 (4) 1-3.→-導入 (5) 4.∀-導入 (Ⅱ)に関して (∀-除去) をいう.…

集合の性質(定理2.3 分配法則)

定理2.3 分配法則 15項 とする.このとき次が成立する. (Ⅰ) (Ⅱ) (証明) (Ⅰ)について (ア) (イ) のうち(ア)のみを示す. (ア)に関して (∀-除去) i.e. をいう. 1 (1) 仮定 1 (2) 1.∧-除去 3 (3) 仮定 1 (4) 1.∧-除去 1,3 (5) 3,4.∧-導入 1,3 (6) 5.∨-導入 7 …

集合の性質(定理2.2 結合法則)

定理2.2 (結合法則) 14項 とする.このとき次が成立する. (1) (2) (証明) (1)について (ア) (イ) のうち,(イ)は(ア)と同様に示されるので,(ア)のみを示す. (ア)について (∀-除去) i.e. をいう. 1 (1) 仮定 2 (2) 仮定 3 (3) 仮定 3 (4) 3.∨-導入 5 (5) …

集合の性質(定理2.1)

定理2.1 11項 とする.このとき次が成立する. (1) (ア) (イ) (2) (ア) (イ) (3) 交換法則 (ア) (イ) (証明) (1) (ア)について (∀-除去) を示す. i.e. (和集合の定義) 1 (1) 仮定 1 (2) 1.∨-導入 (3) 1-2.→-導入 (4) 3.∀-導入 i.e. したがって,(1)の(ア)を…

冪集合の要素の個数

問題1.6 (2) 11項 とする.このとき () (∀-除去) に対して,の元の個数はであること,すなわち を示せ. (証明) 二重否定除去則で示す. 1 (1) 仮定 と置く.このときであるから,たとえばと置けば,冪集合の定義によりを構成できる. 1 (2) 冪集合の定義に…

集合の性質(定理1.3)

定理1.3 10項 とする.このとき が成立する. (証明) (∀-除去) を示す. 1 (1) 仮定 2 (2) 仮定 1 (3) 1.∧-除去 1 (4) 1.∧-除去 1,2 (5) 2,3.→-除去 1,2 (6) 4,5.→-除去 1 (7) 2-6.→-導入 (8) 1-7.→-導入 (9) 8.∀-導入 したがって i.e. が示された.▢

集合の性質(命題1.2)

命題1.2 9項 とする.このとき (Ⅰ) (Ⅱ) (Ⅲ) が成立する(真). (証明) (Ⅰ)について 同一の原理よりであるから (∨-導入) を得る. (Ⅱ)について (∀-除去) の対偶 を示す. 補足 条件はであるが,論証は仮定の話(対偶)なのでを仮定してもと矛盾しない.この段階…

包含関係 2

問題1.4 9項 と置く.このときが成立する. (証明) (∀-除去) (∀-除去) を示す. 1 (1) 仮定 i.e. 1 (2) 1. (3) 1-2.→-導入 (4) 3.∀-導入 それゆえ i.e. を得る.▢ 逆の包含関係 たとえば i.e. である.

包含関係 1

問題1.4 9項 と置く.このときを示せ. (証明) (∀-除去) を示す. 1 (1) 仮定 1 (2) 1. (3) 1-2.→-導入 (4) 3.∀-導入 したがって i.e. が示された.▢ 逆の関係について たとえば よりであるがであるからではない.

集合が相等であることの例

例1.6 9項 と置く.このとき が成立する. (証明) (ア) (∀-除去) (イ) (∀-除去) を示す. (ア)について 1 (1) 仮定 i.e. 1 (2) 1. (3) 1-2.→-導入 (4) 3. ∀-導入 それゆえ i.e. が示された. (イ)について 1 (1) 仮定 i.e. 1 (2) 1. (3) 1-2.→-導入 (4) 3. ∀…

部分集合の証明

例1.5 9項 と置く.このとき が成立する. (証明) (∀-除去) を示す. 1 (1) 仮定 i.e. 1 (2) 1. (3) 1-2.→-導入 (4) 3. ∀-導入 したがって であるから,が示された.▢