福田拓生『集合への入門(無限をかいま見る)』培風館 2018
とする. 問題 1.1 次の集合を括弧を使って表せ. (1) 数学の「普通」はこのような表示である.しかし,これを論理的に書けば ☆ である.これからはできるだけ☆のように表示して行きたい. (2) (3) < 但し,関数はある終域に属し,は選ばれた終域の中で,す…
とする.このとき (1) に対して (ア) (イ) (2) 分配法則 (ア) (イ) (3) (ア) (イ) が成立する. (証明) (1) (ア) を示す. を仮定する.このとき s.t. に対して と置けば,についてもが存在する.したがって,→-導入より と書ける.すなわち が成立する. (…
とする.このとき,次が成立する. (1) (ア) (イ) (2) (ア) (イ) (証明) (1) (ア) を示す. を仮定する.このとき,∨-導入より i.e. を得る.したがって,→-導入から(ア)が示された. (イ) (ア)と同様に示される. (2) (ア) を示す. を仮定する.このとき …
定理2.2 とする.このとき (ア) (イ) が成立する. (証明) (ア) ① を示す. を仮定する.このとき i.e. (選言三段論法) i.e. (選言三段論法) i.e. (∨-導入) i.e. i.e. したがって,→-導入より を得る. ② も①と同様に示される. (イ) ① を示す. を仮定する…
とする.このとき が成立する. (証明) を仮定し,を導出する.を仮定すると∧-除去より i.e. i.e. と書ける.ここで,を仮定すると→-除去より を得る.このようなに対して,→-除去を適用すれば が導き出される.それゆえ,→-導入より i.e. が示された.▢
とする.このとき,次のことが成り立つ. (ⅰ) (ⅱ) (ⅲ) (ⅰ)に関する補足 数学では強選言を採用していると考えるので,とは異なるものと考える.いま,に対して と書けるとする.このとき選言三段論法によって,を否定する.しかし,これは直接を否定している…
と置く.このときである. (証明) (⇒) s.t. を示す. を仮定すると,の条件より () と書くことができる.いま と置くと i.e. を得る.これより,→-導入から が成立する. (⇐) s.t. を示す. を仮定すると,の条件よりは和と積で閉じているので で表される.…
と置く.このときである. 補足 ではないので,ではない.それゆえ 乃至(強選言) とは表せない.ここで,強選言とは,どちらか一方が成立しそれを選べる,という意味である. (証明) s.t. を示す. を仮定するとの性質より () と書ける.いま と置けばである…
命題1.2 9項 とする.このとき次が成立する. (1) (2) (3) (証明) (1)について s.t. を示す.を仮定すると→-導入より であるから,これを量化すれば を得る. (2)について s.t. を示す.を仮定する.いま排中律より である.ここで,を仮定し,これに選言三…
例1.6 9項 と置く.このとき,である. (証明) を示す. (1) のとき に対して をいう.を仮定する.このとき s.t. s.t. i.e. i.e. である.したがって,これらを量化すれば を得る. (1) のとき s.t. に対して を示す.と仮定する.このとき s.t. s.t. i.e. …
部分集合の例1.5 9項 と置く.このときである. (証明) を示す. s.t. と置けば () であるから,量化より i.e. を得る.逆に s.t. と置くと () であるから,量化より i.e. である.したがって であるが,についてのときである.すなわち (量化) である.この…
ラッセルの背理 但しここではを限量しない.を集合と認めると,次のような矛盾が起こる.を集合と認めると,自身もの元である.すなわち である.今までの集合はたとえばは自分自身を元として含んでいない.したがって,集合とは ① 自分自身を元として含むも…
写像の定義 とする.このとき をの値域といいによる値と呼ぶ. (二重∀-除去) s.t. に対して となるようなを写像と呼ぶ.
定理2.7の系 23項 とする.このとき次が成立する. (ⅰ) (ⅱ) (ⅲ) (ⅳ) (証明)(ⅰ)について 定理2.7(ⅰ)より が成立する. (ⅱ)について (ⅰ)と同様. (ⅲ)について 定理2.7(ⅲ)より が成立する. (ⅳ)について (ⅲ)と同様.▢
ド・モルガンの法則 20項 (二重∀-除去) s.t. とする.このとき,次の等式が成立する. (ⅰ) (ⅱ) (ⅲ) (ⅳ) (証明) (ⅰ)について と置く. (二重∀-除去) s.t. (ア) (イ) を示す. (ア)に関して 0,1 (1) 仮定 i.e. 0,1 (2) 1.∧-除去 0,1 (3) 2.∨-導入 4 (4) 仮定 0…
命題2.6 19項 とする.このとき次の性質が成立する. (ⅰ) (ア) (イ) (ⅱ) (ⅲ) (ⅳ) (ⅴ) (証明) (ⅰ) (ア)について (二重∀-除去) s.t. を示す. 0,1 (1) 仮定 i.e. 0,1 (2) 1.∧-除去 0,1 (3) 1.∧-除去 0,1 (4) 2.∨-導入 0,1 (5) 3,4.三段論法 0 (6) 1-5.→-導入 (…
定義2.3 互いに素 18項 (二重∀-除去) s.t. とする.いま,が互いに交わらないときは互いに素である,という. i.e. 直和 互いに素な集合の和集合をの直和と呼び,記号であるいはと表す.但し,である. i.e. i.e. 但し,である.
定理2.5 17項 (∀-除去) s.t. とする.このとき,次が成立する. ☆注意 このような「~とする」の意味は,もしであるとき次が成り立つ,という仮定の話である. Ⅰ (ⅰ) (ⅱ) Ⅱ 分配法則 (ⅰ) (ⅱ) Ⅲ (ⅰ) (ⅱ) (証明) Ⅰ (ⅰ)について (∀-除去) s.t. を示す. 1 (1) …
定義2.2 16項 Ⅰ 和集合 (∀-除去) とする.このとき である. Ⅱ 共通集合 (∀-除去) (∀-除去) とする.このとき である.
命題2.4 15項 とする.このとき次が成立する. (1) (ア) (イ) (2) (3) (証明) (1) (ア)について (Ⅰ) (Ⅱ) を示す. (Ⅰ)に関して (∀-除去) をいう. 1 (1) 仮定 (2) 空集合の定義 (3) 1,2.三段論法 (4) 1-3.→-導入 (5) 4.∀-導入 (Ⅱ)に関して (∀-除去) をいう.…
定理2.3 分配法則 15項 とする.このとき次が成立する. (Ⅰ) (Ⅱ) (証明) (Ⅰ)について (ア) (イ) のうち(ア)のみを示す. (ア)に関して (∀-除去) i.e. をいう. 1 (1) 仮定 1 (2) 1.∧-除去 3 (3) 仮定 1 (4) 1.∧-除去 1,3 (5) 3,4.∧-導入 1,3 (6) 5.∨-導入 7 …
定理2.2 (結合法則) 14項 とする.このとき次が成立する. (1) (2) (証明) (1)について (ア) (イ) のうち,(イ)は(ア)と同様に示されるので,(ア)のみを示す. (ア)について (∀-除去) i.e. をいう. 1 (1) 仮定 2 (2) 仮定 3 (3) 仮定 3 (4) 3.∨-導入 5 (5) …
定理2.1 11項 とする.このとき次が成立する. (1) (ア) (イ) (2) (ア) (イ) (3) 交換法則 (ア) (イ) (証明) (1) (ア)について (∀-除去) を示す. i.e. (和集合の定義) 1 (1) 仮定 1 (2) 1.∨-導入 (3) 1-2.→-導入 (4) 3.∀-導入 i.e. したがって,(1)の(ア)を…
問題1.6 (2) 11項 とする.このとき () (∀-除去) に対して,の元の個数はであること,すなわち を示せ. (証明) 二重否定除去則で示す. 1 (1) 仮定 と置く.このときであるから,たとえばと置けば,冪集合の定義によりを構成できる. 1 (2) 冪集合の定義に…
定理1.3 10項 とする.このとき が成立する. (証明) (∀-除去) を示す. 1 (1) 仮定 2 (2) 仮定 1 (3) 1.∧-除去 1 (4) 1.∧-除去 1,2 (5) 2,3.→-除去 1,2 (6) 4,5.→-除去 1 (7) 2-6.→-導入 (8) 1-7.→-導入 (9) 8.∀-導入 したがって i.e. が示された.▢
命題1.2 9項 とする.このとき (Ⅰ) (Ⅱ) (Ⅲ) が成立する(真). (証明) (Ⅰ)について 同一の原理よりであるから (∨-導入) を得る. (Ⅱ)について (∀-除去) の対偶 を示す. 補足 条件はであるが,論証は仮定の話(対偶)なのでを仮定してもと矛盾しない.この段階…
問題1.4 9項 と置く.このときが成立する. (証明) (∀-除去) (∀-除去) を示す. 1 (1) 仮定 i.e. 1 (2) 1. (3) 1-2.→-導入 (4) 3.∀-導入 それゆえ i.e. を得る.▢ 逆の包含関係 たとえば i.e. である.
問題1.4 9項 と置く.このときを示せ. (証明) (∀-除去) を示す. 1 (1) 仮定 1 (2) 1. (3) 1-2.→-導入 (4) 3.∀-導入 したがって i.e. が示された.▢ 逆の関係について たとえば よりであるがであるからではない.
例1.6 9項 と置く.このとき が成立する. (証明) (ア) (∀-除去) (イ) (∀-除去) を示す. (ア)について 1 (1) 仮定 i.e. 1 (2) 1. (3) 1-2.→-導入 (4) 3. ∀-導入 それゆえ i.e. が示された. (イ)について 1 (1) 仮定 i.e. 1 (2) 1. (3) 1-2.→-導入 (4) 3. ∀…
例1.5 9項 と置く.このとき が成立する. (証明) (∀-除去) を示す. 1 (1) 仮定 i.e. 1 (2) 1. (3) 1-2.→-導入 (4) 3. ∀-導入 したがって であるから,が示された.▢