日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

第1章 平面と空間のベクトル 第1節 ベクトルとその演算 1. ベクトル

  • 用語(唯名的定義)

 平面または(乃至)空間に置いて, Aを始点, Bを終点とする有向線分を \overrightarrow{AB}で表す.

  • 有向線分に置いて,その位置を問題にせず,その大きさと向きだけを考えたとき,これをベクトルという.これより,有向線分 \overrightarrow{AB}をベクトルと考えたとき,もし, \overrightarrow{CD} \overrightarrow{AB}から平行移動で得られるなら \overrightarrow{AB}=\overrightarrow{CD}である.
  • ベクトルを表す記号としては \overrightarrow{AB}の他に
     \mathbf{a},\mathbf{b},\mathbf{c},......,\mathbf{x},\mathbf{y},\mathbf{z},......
    を用いる.いま,ベクトル \mathbf{a}の大きさを |\mathbf{a}|で表す.
    これより
     \mathbf{a}:=\overrightarrow{AB}
    のとき, |\mathbf{a}|は線分 ABの長さである.
  • 大きさ1のベクトルを単位ベクトル乃至正規化されたベクトルという.
  • ベクトル \overrightarrow{AB}に置いて,始点 Aと終点 Bとが一致する場合も,大きさが0であるベクトルと考え,これを零ベクトルといい, \mathbf{0}で表す.
  • ベクトル \overrightarrow{AB}に置いて,大きさが同じで向きが反対なベクトル \overrightarrow{BA}を, \overrightarrow{AB}の逆ベクトルという.
  • ベクトルのように,大きさと向きとを持った量に置いて,普通の数のように,大きさだけを持ち,向きを持たない量をスカラーと呼ぶ.