- 単項式の乗法
とする.このとき次の式を計算せよ.
(解答)
(1)
(2)
(3)
(4)
- 指数の定義
(正整数)
(与えられた正整数)
(与えられた実数)
とする.このとき
と定め,このをの指数という.
☆ 注意
「s.t.」が入らないときは,「与えられた数」と表示する.
- 指数法則(定理)
(正整数)
(与えられた正整数)
(与えられた実数)
とする.このとき
(ア)
(イ)
(ウ)
が成立する.
- 与えられた数とは何か?
いま
がある.このとき「与えられた」数とは計量数が無限個(可算・非可算を問わない)で,順序数が附けられたものをいう.
例
①
は1番目,は2番目である.すなわち
②
☆ 注意
実数の中身は問わない(わからない).
- 指数法則に関して無限濃度の可算・非可算を問わないことについて
は1番目の正整数,は1番目の実数である.この意味で,両者は記号の中身を問わず,順序に従う数として同一である.そしてこれが,与えられた数の意味である.
- 正整数は有限個か?
に対して
を考える.このとき,の計量数は無限個であるが,順序数で番目という意味である.に関して,計量数に注目すれば無限個,順序数に注目すれば有限個である,といえる.
- 定理の証明
(証明)
(ア)について
指数の定義より
(個の積)
(個の積)
に対して
(個の積)
が成立する.
(イ)について
自由変数に対して
と置く.このとき,指数の定義から
()
()
(全体として個の積)
ここで
より個の積は
であるから
(個の積)
である.また,正整数は可換であるので
(個の積)
を得る.したがって
i.e.
が成立する.
(ウ)について
自由変数に対して
と置く.このとき,指数の定義より
(個の積)
(個の積)
である.いま
(指数の定義)
であるから
である.したがって
i.e.
を得る.▢