日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

行列の指数法則 12項

  • 意義

 k=[n]_{\mathbb{Z}^+} s.t.  (n,n)型行列 A(1つの行列)

 n次の正方行列という.また行列の冪を

 \mathbb{N}=\{0,1,2,...,w,w+1,......\}

 w=[ν]_{\mathbb{N}} s.t.  A^ν:=A・A・\cdots\cdots・A  ( ν個)

で定める.但し, A^0:=1である.

(15) 

 \mathbb{N}=\{0,1,2,...,w,w+1,......\}

 r=[ν]_{\mathbb{N}} s.t.

 s=[µ]_{\mathbb{N}} s.t.

(ア)  A^νA^µ=A^{ν+µ}

(イ)  (A^ν)^µ=A^{νµ}

(証明)

(ア)について

 r:=1

 s:=1

に対して n次正方行列 Aの冪の定義より

 A^1・A^1=A^2=A^{1+1}

による.

(イ)について

 r:=2

 s:=3

と置く. n次正方行列 Aの冪の定義より

 (A^2)^3

 =A^2・A^2・A^2

 =A^{2+2+2}  ((ア)による)

 =A^6

 =A^{2×3}

による.▢

・行列の性質

 A,B:1つのn次正方行列

とする.このとき

 (AB)^ν=A^νB^ν s.t.  AB=BA

(証明)

 ν:=1

と置くと

 (AB)^ν

 =AB

 A^νB^ν=AB

による.▢

  • 補足

 数はたとえば,実数 a,bの場合 ab=baが要求されるので,行列に関して AB=BAが必要である.ただ,such.that.の性質によりたとえ AB=BAが成り立たなくても, (AB)^n=A^nB^nが成立することは許される.それゆえ,非可換行列という理由のみで (AB)^n=A^nB^nの成立を直ちに否定することは危険である.

・定義の証明

 \mathbb{N}=\{0,1,2,...,w,w+1,......\}

 w=[ν]_{\mathbb{N}} s.t.  A^ν:=A・A・\cdots\cdots・A  ( a個)

(証明)

 n:=1

 w:=2

と置く.このとき

 A^w

 =\mathbf{a}^2

 =\mathbf{a}\mathbf{a}  (ベクトルの指数法則)

 =a_1a_1  (数の指数法則)

 a_1a_1=A^wも同様.▢