日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

新妻弘『独習ガロア理論』近代科学社 2023

第1章 練習問題1 (1) 必要十分条件のうち十分条件しか成り立たないこと 13項

とする.このとき次を示せ. (1) の元の位数 < とするときに対して が成立する. (記号の量化) 量化できるもの ① について より () からは全称,は特称である,とわかる.これより 例 とは何か? 集合 を考える.このとき,たとえばである,とする.すなわち…

整数全体の集合が整域を成すこと

とする.このときは整域である. (証明の方針) を示す. 1 (1) 前提 1 (2) 1. ∀-導入 3 (3) 仮定 反射的閉包で成り立つことは,非反射的閉包でも成立するのでの両辺にを右から掛けると () i.e. を得るので,この仮定は妥当である. 1 (4) 2-3. ⇒-導入 1 (5) …

命題 1.2.12 概念の説明

まず,ある環とは,任意の環ではなく1つの環のことをいう.1つの環とは,ものを数えるときに順序数のみを考えた1番目の環という意味である. 例 これはを表す. いま,計量数については考えていないので,たとえば1番目が3個というようにすることができる. …

環の部分体について

とする.このとき集合のすべての元はに属するので,はの部分環と看做す.そしては環でもある.問題は,が環であるにもかかわらず,が部分体及び体を成すのか? ということである. の性質はに属することによってキャンセルされないのか? すなわち,よりのす…

命題 1.2.7 体は整域であること 9項

とする.このときは整域である. (証明の方針) を体である,と仮定し ① ② をいう. 1 (1) 前提 1 (2) 1. ∀-除去 1 (3) 2. ∀-除去 4 (4) 仮定 1,4 (5) 3,4. →-除去 6 (6) 仮定 1,4,6 (7) 5,6. →-除去 8 (8) 仮定 1,4,6,8 (9) 7,8. →-除去 10 (10) 仮定 1,4,6,…

命題 1.2.5 整域での簡約律は矛盾許容論理を採用する限り不成立であること

とする.このとき (論理式のつくり方) ☆証明の方法ではない 前提の論理式について ① ② ③ ④ 命題が不成立であることの理由 私は矛盾許容論理を採用している.そのため (1) 対偶が採れない (2) 選言三段論法を用いることができない なお,私が選言三段論法を使…

命題 1.2.2 7項

とする.このとき (ⅰ) (ⅱ) (ⅲ) (ⅳ) (ⅴ) が成立する. (証明の方針) (ⅰ)について を示す. 1 (1) 前提 1 (2) 1. ∀-除去 3 (3) 仮定 4 (4) 仮定 3,4 (5) 3,4. →-除去 3,4 (6) 5. ∧-除去 3,4 (7) 5. ∧-除去 ここで 零元の性質 分配律 i.e. ☆ であるから☆の両辺…

判断② 7項

i.e. とする.このときの定義により と成る. (証明の方針) ① () より () と表される. ② より でありの定義より () と書ける. ☆ は可換環ではあるが,はの倍を意味しているので () を定めることにより が導き出される.

判断① 7項

加法と乗法 () (零元) i.e. に対して (ⅰ) (ⅱ) が成立する. (証明の方針) (ⅰ),(ⅱ)ともに両辺が一致することを確かめる. (ⅰ)について ① を考える. 倍の定義より であるから ② を考える. したがって が成立する. (ⅱ)について ① を考える. ② を考える. そ…

定理 1.1.25 第3同型定理 6項

写像 とする.このとき (ⅰ) (ⅱ) が成立する. (証明の方針) 前提のまとめ より ☆ でありが与えられている.とくにについて,☆よりはともに群であるからである. ① であること を示す.そのために (ア) (イ) をいう. (ア)について を考える.このとき を仮定…

定理 1.1.24 第2同型定理 5項

とする.このとき (ⅰ) (ⅱ) が成立する.但し写像 は与えられている. (証明の方針) ① ② 便宜のため と置く. ①について に対して i.e. 論理積と共通部分の関係 である.また () () であるから,と表される.したがって,はの演算に関して群を成す.すなわち…

定理 1.1.23 第1同型定理 5項

群準同型写像 写像 とする.このとき (ⅰ) (ⅱ) が成立する. (証明の方針) (ⅰ)について よりの元はすべてに属するので,は群を成し,である.いま,便宜のため と置く.このときに対して を示す.そのために (ア) (イ) をいう. (ア)について を証明する. i.…

定理 1.1.22 5項

1つの群 群準同型写像 とする.このとき (1) (2) が成立する. (証明の方針) (1)について 群準同型写像に対して,とくに写像の性質 を考える.いま について から を得る. (2)について が与えられているので に対してより である.そして と成る.一方 であ…

定理 1.1.20 5項

とする.このとき (乗法群とは限らない) を定めるとはの演算で群を成す. 単位元: 逆元: この群をを法とする剰余群(因子群)という. (証明の方針) を用いる. (1) 結合律 したがって が成立する. (2) 単位元 は群であるから,に対して を考えるとの演算の…

命題 1.1.19 5項

とする.このとき (ⅰ) (ⅱ) が成立する. (証明の方針) の内包 (ⅰ)について (ア) (イ) を示す. (ア) をいう.そのために を示せばよい. 1 (1) 前提 1 (2) 1. ∀-除去 3 (3) 仮定 ☆ 1 (4) 2-3. →-導入 1 (5) 4. ∀-導入 (イ) (ア)と同様. (ⅱ) (ⅰ)の証明方法で…

問 1.2 5項

とする.このとき が成立する. (証明の方針) と置く.いま を示す.そのために をいえばよい. 1 (1) 前提 1 (2) 1. ∀-除去 3 (3) 仮定 ☆ 1 (4) 2-3. →-導入 1 (5) したがってが示された. ☆について であるからとの元はすべてに属するので,このような仮定…

定義1.1.18

とする.このとき,ととを含むの最小の部分群を で表し,とにより生成された部分群という. 補足 とする.このとき より より に表示を改める.もっとも のように書いてもよい.

定理 1.1.17 4項

有限群 とする.このとき である. (証明の方針) を示す. より である.とくにから がわかる.これより単位元の性質を考えると,単位元は交換性があるので が成立する.したがって,である.

定理 1.1.15 ラグランジュ 4項

とする.このとき が成立する.但し,は積(掛け算)を表す. (証明の方針) ① 有限群の部分群は有限群か? よりも有限群である.これより と定める. ② に関して集合族の位数とは何か? 位数が有限個のとから成るの位数も有限個である.いま と置けば i.e. と…

問1.1 4項

の内包 i.e. i.e. i.e. 但し とする.も同様.このとき が成立する. (証明の方針) に対して を示す.条件とくにであるから よりについて,はの元同士の演算が働くので,に関して i.e. を成す.これより と表示してもよい.も同様. これより,に対して であ…

定理 1.1.13 3項

巡回群の部分群は巡回群である i.e. s.t. < > 但し < > < > とする.このとき巡回群< >,< >に対して < > < > である. (証明の方針) 条件,は巡回群より < > < > で表されるときから < > < > を得る.

命題1.1.11 3項

< > とする.このとき (1) < > (2) < >はを含むの最小の部分群 である. (証明の方針) (1)について < >より< >の元はすべて群に属するので,< >はの演算に関して群を成す.したがって< > である. (2)について をを含むとする.このとき < > ☆ を示す.条件…

系 1.1.8 3項

とする. (1) のとき (2) のとき (証明の方針) (1)について (⇒) を仮定する.の条件よりであるから と書ける.それゆえ が成立する. (⇐) を仮定する.条件よりはの演算に関して群を成すので,の単位元をがもつ. (2)について (2)も(1)と同様の理由で示され…

定理 1.1.7 部分群の判定定理 2項

とする.このとき,がの部分群であるための必要十分条件はが次をみたすことである. (ⅰ) (ⅱ) また,(ⅰ),(ⅱ)は次の(ⅲ)と同値である. (ⅲ) 但し である. (証明の方針) を示したい.そのために (ア) (イ) を示す. (ア)について と仮定する.このとき,条件か…

部分群について 2項

とする.このときの単位元のみから成る集合に対して が成立する.また,についても,自身の部分群 である. (証明の方針) (ⅰ) (ⅱ) (ⅲ) (ⅳ) ☆ によりがとれる. を示す. (ⅰ) 1 (1) 前提 2 (2) 仮定 1 (3) 1-2. →-導入 (ⅱ) 両辺が等しいことをいう. それゆえ…

逆元の逆元は元に戻ることについて 2項

主張 (証明の方針) とする.このときの逆元とは をいう.但し (唯一つ) である.いま を示したい.そのために を示す. 1 (1) 前提 1 (2) 1. ∀-除去 3 (3) 仮定 4 (4) 仮定 3,4 (5) 3,4. →-除去 3,4 (6) 5. ∧-除去 3,4 (7) 5. ∧-除去 ここで,の自由変項を用…

命題 1.1.3 (2) 1項

とする.このとき が成立する.但し である. (証明の方針) (ア) (イ) をみたすようなが唯一つであることを示したい.そのために,まず s.t. という記号の意味について考える.の任意の元に対して,条件をみたすようなのある元が存在する.また,そのような…

命題 1.1.3 (1) 1項

とする.このとき が成立する.但し である. (証明の方針) 群の単位元について とはどういう意味だろうか. s.t. () つまり,というのがに存在するときに,任意のの元について条件をみたす.が存在しないときも,その条件で書ける,と解釈できる. 一方,19…