日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

定理 1.1.20 5項

 x,y,z,......:1つの束縛変項

 a,b,c,......:1つの自由変項

 X:1つの束縛変項

 (G, \circ):1つの群

 H\triangleleft G

 G/H:Hを法とするすべての剰余類の集合族

 G/H:=\{X|X=aH (a∈G)\}

とする.このとき

 ∀x∈G

 ∀x=[a,b]_G

 aH\circ bH:=abH (乗法群とは限らない)

を定めると G/H Gの演算 (G, \circ)で群を成す.

単位元:  eH=H  ∃y=[e]_G

逆元:  a^{-1}H  ∃z=[a^{-1}]_G

この群を Hを法とする剰余群(因子群)という.

(証明の方針)

 ∀X=[aH]_{G/H}

 ∀x=[a,b,c]_G

 aH\circ bH:=abH

を用いる.

(1) 結合律

 (aH\circ bH)\circ cH=abH\circ cH=abcH

 aH\circ (bH\circ cH)=aH\circ bcH=abcH

したがって

 (aH\circ bH)\circ cH=aH\circ (bH\circ cH)

が成立する.

(2) 単位元

  Gは群であるから, e∈Gに対して

 aH\circ eH   

を考えると G/Hの演算の定義より

 aH\circ eH=aeH=aH   (∀a∈G)

を得る.それゆえ eH G/H単位元である.

(3) 逆元

  Gは群であるから,任意の a∈Gに対して

 aH\circ a^{-1}H=eH=H

となる a^{-1}∈Gが存在する.但し

 ∀x=[a]_G

 ∃z=[a^{-1}]_G

である.この a^{-1}H G/Hの逆元である.

 したがって G/H Gの演算 (G, \circ)に関して群を成す.