とする.このとき
(ⅰ)
(ⅱ)
が成立する.
(証明の方針)
- 前提のまとめ
より
☆
でありが与えられている.とくにについて,☆よりはともに群であるからである.
① であること
を示す.そのために
(ア)
(イ)
をいう.
(ア)について
を考える.このとき
を仮定できるか?
よりのすべての元とのすべての元はの元であるので,の元との元とをの元と看做し,とを同一視する.これより,(ア)そして(イ)もわかる.
② よりを考える.このとき,(ⅰ)を示したい.いま2個の剰余類
を表示するとに対して
より
である.すなわちである.そして,条件よりであるから定理1.1.20よりとはともに群(剰余群)を成す.したがって
である.これより便宜のため
で表す.
(ⅰ)について
を示す.但し
でありであるからのみを考えればよい.
(ア)
(イ)
をいう.
(ア)について
を考える.このとき
を仮定できるだろうか?
()
他方
であるから
i.e.
が成立する.(イ)も同様であるから
と成る.したがってである.
(ⅱ)について
を示す.
①
写像に対して
より
と書く.とくに
である.いま
に関して
が成立する.したがって,は群準同型写像である.
②
と仮定する.このとき
は写像の一意性と仮定により
を得る.
③
であるから
を示せば十分である.
について
を仮定できるか? はのすべての元であるから,この仮定は許される.したがって,が成り立つので,は全射である.
以上より
は同型写像である.それゆえ群同型
が成立する.
- 感想
よりとのすべての元はに属する.これよりとをともにと看做せばより剰余群で,はの正規部分群であるから
より定理は自明である,といえると思う.