日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

部分集合の不成立の例

 x,y,z,......:1つの束縛変数

 a,b,c,......:1つの自由変数

 S:=\{m|m=3s(s∈\mathbb{Z}^+)\}  ∀m[m∈S→∃s[m=3s∧s∈\mathbb{Z}^+]]

 T:=\{n|n=6t(t∈\mathbb{Z}^+)\}  ∀n[n∈T→∃t[n=6t∧t∈\mathbb{Z}^+]]

とする.このとき

 S⊂T

は不成立である.

(証明の方針)

  Sの要素(3の倍数)がすべて T(6の倍数)に属するわけではない,ということを示したい.自然演繹ではどの段階で,この「属するわけではない」が言えるのかをたしかめる.

 \vdash∀x[x∈S→x∈T]

1 (1)  ∀x[x∈S→x∈T]  前提

1 (2)  a∈S→a∈T  1. ∀-除去

 ここで,たとえば 9∈Sについて考えてみる.この 9 3の倍数であるが, 6の倍数ではない.したがって,(2)は言えないので,この判断は偽であることがわかる.

(証明)

 前提

 ∀x[x∈S→x∈T] ①

に対して∀-除去を適用する.このとき

 a∈S→a∈T ②

と書けるかどうかを確かめてみたい.実際

 9∈S→¬(9∈T)

であるから,①は不成立である(たとえば②で 6のように成立する場合もある).したがって

 ∀x[x∈S→x∈T]

という判断は偽である.▢