日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

定理1.8 8項

  • 定理1.8 8項

 \{a_n\}:実数列 

 z=[n]_{\mathbb{N}} ( ∀n∈\mathbb{N}) ②

とする.このとき, \{a_n\}

 a_1≤a_2≤\cdots≤a_n≤\cdots\cdots

(あるいは a_1≥a_2≥\cdots≥a_n≥\cdots\cdots)

をみたし,上に有界(あるいは下に有界)なら,数列は収束する.そして,極限値は上限(あるいは下限)に等しい.また,上に有界でなければ(あるいは下に有界でなければ) +∞(あるいは -∞)に発散する.

(証明)

上に有界,上に有界でないときを考える.数列についてその条件は

(1)  a_1≤a_2≤\cdots≤a_n≤\cdots\cdots

(2) 上に有界(定理1.6より数列には上限が存在する)

である.このとき,数列の上限を αと置くと

 a_n≤α (上限の性質)

と書ける.そして

 \displaystyle\lim_{n→∞}a_n=α

と成る.なぜなら

 x=[ε]_{\mathbb{R}^+} s.t. ( ∀ε∈\mathbb{R}^+) ①

 y=[N]_{\mathbb{N}} s.t. ( ∃N∈\mathbb{N}) ①

 n≥N ⇒ |a_n-α| <  ε

を示そう.①より

 ε:=1

 N:=1

に対して②から

 n:=1

と置く.いま, a_1=αのとき

 1≥1 ⇒ |a_1-α|=0 <  1

が成り立つ.そして, a_1=α i.e.  a_1≤α (∨-導入)

であるから

 \displaystyle\lim_{n→∞}a_n=α ( a_n,α∈\mathbb{R})

が成立するからである.

 また,数列が上に有界でなければ

 a_1≤a_2≤\cdots≤a_n≤\cdots\cdots

であるから

 \displaystyle\lim_{n→∞}a_n=+∞

と成る.なぜなら

 x=[M]_{\mathbb{R}^+} s.t. ( ∀M∈\mathbb{R}^+) ①

 y=[N]_{\mathbb{N}} s.t. ( ∃N∈\mathbb{N}) ①

 n≥N ⇒ a_n >  M

をいう.①より

 M:=a_{n-2}

 N:=n-1

に対して②から

 \cdots\cdots≥a_n≥a_{n-1} >  a_{n-2}

i.e.

 \cdots\cdots≥a_n≥a_N >  M

が構成されるからである.尤もこれは

 a_1≤a_2≤\cdots≤a_n≤\cdots\cdots

という順序による.

 したがって,数列は +∞に発散する.以上より定理が示された.▢