日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

定理1.7 収束列は有界列であること 7項

  • 意義

 数列 \{a_n\}を実数の集合と看做すとき,もしこの \{a_n\}が上に有界なら,この数列は上に有界である,という.「上界」,「上限」,「下界」,「下限」,「有界」も同様に用いる.

  • 定理1.7

 収束する数列は有界である

(証明)

 数列が収束することを仮定する.たとえば

 α:=\displaystyle\lim_{n→∞}a_n

と置くと

 ∀x[x∈\mathbb{R}^+→∀x[x∈\mathbb{R}^+→∃x[x∈\mathbb{R}^+∧x=a]]]

 ∃y[y∈\mathbb{N}∧y=b] 

 x=[ε]_{\mathbb{R}^+} s.t. 

 y=[N]_{\mathbb{N}} s.t. 

 ∀z[z∈\mathbb{N}→∀z[z∈\mathbb{N}→∃x[x∈\mathbb{N}∧z=c]]]

 z=[n]_{\mathbb{N}} s.t. 

 n≥N ⇒ |a_n-a| <  ε

と表示できる.このとき

 ε:=1

 N:=1

に対して n:=1と置けば

 1≥1 ⇒ |a_1-α| <  1

である.ここで

 |a_1-α|=0

を考えれば,絶対値の性質(非退化)より

 a_1-α=0 i.e.  a_1=α

を得る.それゆえ,∨-導入より

 a_1≤α

であるので,定理が成立する.▢

  • 定理の逆は不成立であること

 有界な数列は収束する

(考察)

 与えられた数列が有界であるとすれば

 ∃y[y∈\mathbb{R}∧y=b]

 y=[α]_{\mathbb{R}} s.t. ①

 ∀x[x∈\mathbb{R}→∀x[x∈\mathbb{R}→∃x[x∈\mathbb{R}∧x=a]]]

 x=[a]_{\mathbb{R}} s.t.   ②

 a≤α

と書ける.このとき,次のような場合分けをする.

(1)  a=αのとき

 a-α=0 i.e.  |a-α| <  1

と表示できるが,しかし ε=1とは限らない(二重∀-導入ができない).

(2)  a <  αのとき

 a-α <  0 i.e.  |a-α| <  1

で書けるとは限らない.

 したがって,有界列は収束列とは限らない.▢