- 意義
数列を実数の集合と看做すとき,もしこのが上に有界なら,この数列は上に有界である,という.「上界」,「上限」,「下界」,「下限」,「有界」も同様に用いる.
- 定理1.7
収束する数列は有界である
(証明)
数列が収束することを仮定する.たとえば
と置くと
s.t.
s.t.
s.t.
<
と表示できる.このとき
に対してと置けば
<
である.ここで
を考えれば,絶対値の性質(非退化)より
i.e.
を得る.それゆえ,∨-導入より
であるので,定理が成立する.▢
- 定理の逆は不成立であること
有界な数列は収束する
(考察)
与えられた数列が有界であるとすれば
s.t. ①
s.t. ②
と書ける.このとき,次のような場合分けをする.
(1) のとき
i.e. <
と表示できるが,しかしとは限らない(二重∀-導入ができない).
(2) < のとき
< i.e. <
で書けるとは限らない.
したがって,有界列は収束列とは限らない.▢