日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

白チャート 基本例題 34 65項

 a,b,c,......:束縛変数

 \bar{a},\bar{b},\bar{c},......:パラメタ

とする.このとき 次の不等式を解け.

(2)  3(x-2)≥2(2x+1)

(解答の方針)

 与式に対して反射的閉包の性質より

 3(\bar{x}-2)=2(2\bar{x}+1)  ∀-除去

 \bar{x}について解く.

 3\bar{x}-6=4\bar{x}+2

であるが,ここまでに仮定はないので

 -\bar{x}=8  ∀-導入適用可能

である.したがって,

 -x=8 i.e.  x=-8  ∀-導入

を得る.

☆ 単称判断は全称判断に含まれる.

応用例題 28 27項

 a,b,c,......:束縛変数

 \bar{a},\bar{b},\bar{c},......:パラメタ

とする.

 \bar{x}:=\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}-1},\bar{y}:=\frac{1}{\sqrt{2}+1}のとき,次の式の値を求めよ.

(1)  x+y

(2)  xy

(3)  x^2+y^2

(解答の方針)

(1)について

 まず,与えられた x,yについて有理化を行う.すなわち

 \bar{x}=\sqrt{2}+1,\bar{y}=\sqrt{2}-1  ∃-仮定

である.次に

 \bar{x}+\bar{y}

に対して

 \bar{x}+\bar{y}=\sqrt{2}+1+\sqrt{2}-1=2\sqrt{2}

と書ける.すなわち

 x+y=2\sqrt{2}  ∃-除去

を得る.

(2)について

 \bar{x}\bar{y}  ∃-仮定①

に関して

 \bar{x}\bar{y}=(\sqrt{2}+1)(\sqrt{2}-1).

ここで

 \bar{a}:=\sqrt{2}  ∃-仮定②

と置く.

 (\sqrt{2}+1)(\sqrt{2}-1)=(\bar{a}+1)(\bar{a}-1)=\bar{a}^2-1=(\sqrt{2})^2-1=1.  ∃-除去②

したがって

 xy=1  ∃-除去①

で表される.

(3)について

 \bar{x}^2+\bar{y}^2  ∃-仮定

に対して

 \bar{x}+\bar{y}=(\bar{x}+\bar{y})^2-2\bar{x}\bar{y}=(2\sqrt{2})^2-2\cdot1=6.

それゆえ

 x^2+y^2=6  ∃-除去

である.

 

類題 27 根号の外し方 27項

 a,b,c,......:束縛変数(実数)

 \bar{a},\bar{b},\bar{c},......:パラメタ(実数)

とする.このとき

 \sqrt{x^2+12a}   (\bar{x}:=\bar{a}-3)

 aの式で表せ.

(解答の方針)

 \bar{x}:=\bar{a}-3  ∃-仮定

より与式から

 (\bar{a}-3)^2+12\bar{a}  ∃-導入

を考え,これを展開すると

 \bar{a}^2+6\bar{a}+9=(\bar{a}+3)^2

である.

 したがって

 \sqrt{\bar{x}^2+12\bar{a}}=\sqrt{(\bar{a}+3)^2}=|\bar{a}+3|  ∃-除去

と書ける.そして,その他の仮定はないので∀-導入可能であるから

 |a+3|=a+3  ( a≥-3)

 |a+3|=-(a+3) ( a <  -3)  ☆

を得る.

☆について

 ∧と∨は使用制限しているので☆は山積みである.

平均の速さ 17項

1. 平均の速さ

  • 等速直線運動をしている電車がある
  • 100m間隔の柱の間を4.0sで通過した
  • この電車の速さはいくらか(m/s)? また何km/hか?

(解答の方針)

 たとえば,原点Oを最初から2番目の柱に置く.このようなOから次の柱(3番目)すなわち100mまでの速さを測る.つまり,電車は100mを4.0sで走ったと看做す.このときの平均の速さvは

 \displaystyle v=\frac{100\mathrm{m}}{4.0\mathrm{s}}=25\mathrm{m}/\mathrm{s}

である.これより

 25\mathrm{m}/\mathrm{s}=1500\mathrm{m}/\mathrm{min}=90\mathrm{km}/\mathrm{h}

がわかる.

  • 補足

 a,b,c,......:束縛変数

 \bar{a},\bar{b},\bar{c},......:パラメタ

とする.このとき

 \displaystyle\bar{v}=\frac{\bar{x}}{\bar{t}}

が成立する.このパラメタには何を代入してもよい.

手順は

① ∀-除去

② ∀-導入

である.実際

 \displaystyle\bar{v}=\frac{\bar{x}}{\bar{t}}  ∀-除去

に対して

 \displaystyle\frac{100\mathrm{m}}{4.0\mathrm{s}}=25\mathrm{m/s}

であり,その他の仮定はないので∀-導入適用可能である.したがって

 v=25\mathrm{m/s}  ∀-導入

を得る.

基本例題 25 26項

 a,b,c,......:束縛変数(実数)

 \bar{a},\bar{b},\bar{c},......:パラメタ(実数)

とする.このとき次の式を計算せよ.

(1)  (3-2\sqrt{2})^2

(2)  (3+2\sqrt{2})(3-2\sqrt{2})

(解答の方針)

(1)について

 \bar{a}:=3

 \bar{b}:=2\sqrt{2}  ∃-仮定

と置く.このとき与式は

 (\bar{a}-\bar{b})^2=\bar{a}^2-2\bar{a}\bar{b}+\bar{b}^2  ∃-導入

 =3^2-2\cdot 2\sqrt{2}+(2\sqrt{2})^2  ∃-除去

 =17-12\sqrt{2}

である.

(2)について

 \bar{a}:=3

 \bar{b}:=2\sqrt{2}  ∃-仮定

と置く.このとき与式は

 (\bar{a}+\bar{b})(\bar{a}-\bar{b})  ∃-導入

 =\bar{a}^2-\bar{b}^2   

 =3^2-(2\sqrt{2})^2  ∃-除去

 =9-8=1

で書ける.

 

基本例題 23 循環小数 23項

 a,b,c,......:束縛変数(実数)

 \bar{a},\bar{b},\bar{c},......:パラメタ(実数)

とする.このとき 0.\dot{4}5\dot{6}を分数の形で表せ.

(解答の方針)

 \bar{x}:=0.456456\cdots\cdots  ∃-仮定

と置く.いま 1000\bar{x}を考える.すなわち

 1000\bar{x}=456.456456\cdots\cdots

である.このような 1000\bar{x}から \bar{x}を引くと

 999\bar{x}=456

を得る.したがって

 \bar{x}=\displaystyle\frac{152}{333}

と計算することができるので

 x=\displaystyle\frac{152}{333}  ∃-導入及除去

で表される.

☆ 実数のパラメタというのは,どんな実数を代入しても何の四則演算を加えてもよい.ここから言えることは,無限の計算もパラメタでさえあれば,計算可能だということである.もちろん,最終的には閉式にできるパラメタである必要はあるが,この計算方法が無限の計算に役に立てばよいなと思う.