論理学からみた判断とは,すべて二個の概念の一致あるいは不一致の断定として考えられる.そして,これが言語によって表現されたものを命題という.判断を言語的にみれば主語(主辞)と述語(賓辞)とその両者を結びつけ,その関係を表す連辞の三個から成り立つ.それゆえ,判断を表す命題の原型は,「SはPなり」のかたちをとる.論理学の考察の対象とするときは必ずこの形にに引きなおして考える.これを標準形式という.
例
花は美しい ⇒ 花は美しいものである
美しい花だ ⇒ これは美しい花である
彼は私の友人だった ⇒ 彼は私の友人だった人である
彼は罪を犯すだろう ⇒ 彼は未来の罪人である
判断あるいは命題は二個の概念の一致・不一致を主張するものであり,その真偽を論ずるものであるから,真偽に関しない文章は命題と考えない.
☆ 二個の概念の一致・不一致とは?
主辞と賓辞の肯定・否定のこと
例 SはPなり あるいは Sは非Pなり(あるいはSはPでない)
但し
S:主辞
P:賓辞