日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

推理への三段階

  • 概念

例 亀

  • 判断

例 亀は動物である

  • 推理(一階論理)

 すべての動物(M)は死ぬ(P)

 すべての亀(S)は動物(M)である

 すべての亀(S)は死ぬ(P)

但し

 S:主辞

 P:賓辞

 M:媒概念

☆ 賓辞とは述語から連辞を除いたもの

そこで連辞とは~は~であるの「は」や「である」を指す

  • 二階論理

①すべての動物はある死を迎える

②すべて亀はある動物である

③すべて亀はある死を迎える

① ある死とは老衰をいう 老衰で死んだすべての動物(主語論理)

② ある動物とは亀をいう 亀は動物であるのですべての亀を指定する

③ 老衰で死んだすべての亀

 

つまり,従来の一階論理では説明できなかった主語を述語が説明するというのが二階論理である.これで「すべて」に一種の条件が課せられた状態になり,無制限な全称判断がなくなる.

  • 無制限な全称判断とは?

すべてのカラスは黒いものである

 

このように本当にすべてのカラスが黒いか否かを問わないというのが,従来の一階述語論理であった(全称判断の非存在性).この問題を二階論理は解消する.実際

 

すべてのカラスはある黒い動物である

 

ある黒い動物の中にカラスはいる

ある黒い動物はカラスである

すべての黒い動物はあるカラスである(あるカラスはすべて黒い)

 

ここで注意すべきは「すべて」の使い方が通常とは異なることである.ここでいう「すべて」というのは~という条件をみたすすべてのもの,という意味である.この黒いカラスの例でいうと必然的に黒いカラスのみを集めるという集合論的制限がかかる.すなわち,本当の事実を無視して(たとえ世の中には白いカラスがいたとしても)カラスを黒いと擬制するのである.換言すれば,黒色のカラスのみを集め,それらが「すべてのカラス」だと看做すのである.