日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

概念の種類1

  • 概念構成の性質上からの分類

① 純粋概念と経験概念

経験概念:経験から抽象によって得られる概念

純粋概念:経験から得られるものでない.経験に依らずに形成される先験的(ア・プリオリ)な概念

 純粋概念は,最も普遍的な概念であり最高の類概念でもあってこれを範疇とよぶ.

② 単独概念と一般概念

 概念の外延が最小のもの(特定の個物)を示すものを単独概念という.

例 固有名詞など

「この本」,「父の遺品」,「昭和四十二年度のA大学の入学式」.これに対して「本」,「父」,「遺品」,「入学式」は一般概念である.

③ 単純概念と複合概念

 1個の概念のみを表すものを単純概念という.それに対して,いくつかの概念を同時に含んで表すものを複合概念とよぶ.

単純概念:「人」や「犬」

複合概念:「軍人」,「日本人」,「東洋人」,「番犬」,「黒犬」

☆ 注意

「犬」や「人」を複合概念とする説もある.

④ 個別概念と集合概念

個別概念:「人」,「船」,「本」など

集合概念:「家族」,「団体」,「船団」,「森」など

 しかし,この関係は相対的であり,たとえばA家族,B家族というとき,これは個別概念である.

⑤ 具体概念と抽象概念

具体概念:「人」,「机」,「砂糖」,「花」など

抽象概念:「人間性」,「正義」,「より長い」,「甘さ」,「赤」など

☆ 注意

 抽象概念とは関係,性質,状態,活動などを表すものである.しかし,概念とはすべて抽象であるので,抽象概念・具体概念という区別は便宜的なものに過ぎない.たとえば,具体的な机はこの机,あの机であり,「机」なるものは具体的に在るわけではない.また,「人」というのも,教師,学生,商人,会社員といった,より具体的な概念に対しては,抽象概念である.さらに「教師」や「学生」も具体的な個々の人間A,B,Cに対しては抽象概念である.