日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

概念の「偶有性,共通性,内包,外延,概括,限定,明瞭,明晰」

  • 概念の偶有性と共通性

 偶有性と共通性という区別について,それは外界の存在によるのではなく,存在を把握する我々の視点にある.何を本質的な共通性と看るのかは,存在を把握する視点によって決まる.繰り返しになるが,概念や言葉による存在の認識は,存在そのものではなく,存在把握の方法である.すなわち,一種の分類による抽象である,といえる.

  • 概念の内包と外延

 概念には内包と外延がある.

内包:概念の共通性的総体

外延:概念の適用範囲

例 人間

内包:有形・有生・可感・理性的等の徴表の総体

つまり,概念の中で有形や有生という共通性をもつものを集めたものである.

外延:このような徴表をもつ人間の総体

☆ 徴表とはものとものとを区別する性質

☆ 注意

 外延は必ずしも経験的に示すことのできるものとは限らない.たとえば,数学に関して,点や直線あるいは三角形等の概念は,経験的に示すことができない.尤も,数学が経験的であるか否かについては,今後の課題とする.

例 反比例増減の法則

 人間の内包から理性的という徴表を捨象すると,有形・有生・可感という内包をもつ概念の外延は人間よりも範囲が広い動物一般を指す.逆に,人間の内包に白色という徴表を加えれば,その外延は人間よりも範囲が狭くなり,概念は白人種に限られる.すなわち,概念の内包と外延には,内包が増大すると外延は減少し,外延が増大すると内包が減少する,という関係がある.これを内包外延反比例増減の法則とよぶ.

  • 概括と限定

 概念の内包からその一部を捨象することを概括といい,内包に新しい徴表を付加することを限定とよぶ.

  • 明瞭と明晰

 概念の内包を構成する徴表が明確であるとき,明瞭な概念といい,概念の外延が明確であるとき,明晰な概念という.ここで,概念が明確であるというのは,概念が明瞭明晰である,ときをよぶ.