日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

矛盾の原理 矛盾を許容するとはどういうことか?

  • 矛盾の原理

 A,B:1つの記号

とする.このとき Aは非 Aではない,という形式を矛盾の原理と呼ぶ.すなわち

 AはBである かつ  AはBでない

は矛盾である.

  • 矛盾を許容するとはどういうことか?

 AはBである ∧ AはBでない

これより

 AはBでありかつBでない

を構成することができる.しかし,そのような矛盾は実際に起こるのだろうか?

例 人間

人間は動物でありかつ動物でない

このままだと一見矛盾している.そこで,この文を二階論理で記述してみよう.

① すべての人間はある動物である

② すべての人間はある動物でない

これに対して

①のある動物では人間を指定する

②のある動物では猿を指定する

してみると,人間は人間でありかつ猿でない,ということができる.しかも,これは矛盾ではない.それでは

すべての人間はある動物でない

に対して,ある動物として人間を指定した場合はどうだろうか? いま,ある動物として人間でない,と決める.これより,すべての人間はある人間でない,と言える.ここで,ある人間でないすべての人間という文は誤りだろうか? これは,ある人間でないという条件をみたす人間がいないので,そのようなものを集めることはできない.したがって,これは棄却される.

  • まとめ

 ①と②は両立可能である.但し

すべての人間はある動物である

すべての人間はある動物でない

その両方を認めるとき

すべての人間はある人間でない(本当の矛盾)

という条件を排除する.