- 矛盾の原理
とする.このときは非ではない,という形式を矛盾の原理と呼ぶ.すなわち
かつ
は矛盾である.
- 矛盾を許容するとはどういうことか?
これより
を構成することができる.しかし,そのような矛盾は実際に起こるのだろうか?
例 人間
人間は動物でありかつ動物でない
このままだと一見矛盾している.そこで,この文を二階論理で記述してみよう.
① すべての人間はある動物である
② すべての人間はある動物でない
これに対して
①のある動物では人間を指定する
②のある動物では猿を指定する
してみると,人間は人間でありかつ猿でない,ということができる.しかも,これは矛盾ではない.それでは
すべての人間はある動物でない
に対して,ある動物として人間を指定した場合はどうだろうか? いま,ある動物として人間でない,と決める.これより,すべての人間はある人間でない,と言える.ここで,ある人間でないすべての人間という文は誤りだろうか? これは,ある人間でないという条件をみたす人間がいないので,そのようなものを集めることはできない.したがって,これは棄却される.
- まとめ
①と②は両立可能である.但し
すべての人間はある動物である
すべての人間はある動物でない
その両方を認めるとき
すべての人間はある人間でない(本当の矛盾)
という条件を排除する.