とする.このとき,はなり,という形式で表されるものを同一の原理と呼ぶ.
例 人間
人間は人間である
この判断に何か意味はあるのだろうか? これ自体ではわからないので二階論理で記述すると
すべての人間はある人間である
で表される.このとき
① ある人間の中に人間はいる
② ある人間とは人間を指す
③ すべての人間はある人間である(ある人間はすべて人間である)
このように考えると,はである,という形式にも意味があると考えられる.これも,人間であるものをすべて集めたものを言っている.たとえ,人間の中にはまだ人間とは言い難いものが含まれていても(人間の受精卵),人間の条件をみたすものをすべてを集めたものが「すべての人間」である.
例 刑法の人間と民法の人間
刑法は一部露出説と考える.他方,民法は全部露出説を採る.たとえば
① すべての人間はある(刑法上の)人間である
② すべての人間はある(民法上の)人間である
というようにも記述できる.一見,同語反復にみえるものでも,それらに二階論理を用いれば,①と②のように区別する利益がある.