日記2

自然演繹を積極的に用いたい.

いわゆる変数と定数について

  • 変数

 A,B:1つの集合

 ∀x[x∈A→∃x[x∈B∧x=a]]

 x=[a]_A (∀-除去) s.t.  φ(a)∈B

但し, φ(a)はaの述語

メタ視点:

記号の意味としては

 

 すべてのx∈Aは述語をみたすようにあるφ(x)∈Bが存在する

 

である.また Bは述語の集まりだが,これをクラスといい,単純なクラスは集合と考えてよい.なぜなら,単純なクラスもまた,ものの集まりであるからである.そして,「s.t.」ということは,いくらでも条件外(述語に係らない)のものが Bに存在しても構わない,という意味である.

「すべての人間は理性的なある動物である」

すべての人間: すべてのx∈A

理性的な: φ

ある動物: あるx∈B

理性的なある動物: φ(x)∈B

 要するに,すべての人間は理性的な動物であるが,しかし動物の中には少なくとも理性的でないものがいくらでも存在する,という意味である.

注意

たとえ, 「あるφ(x)∈Bと表示されていたとしても,その量化子は述語 φではなく,あくまでも x∈Bに係るものである,ということに気を付ける.

 

  • 定数

 x=[a]_A s.t.  φ(a)∈B

メタ視点:

 

 自由変項a∈Aに対して述語をみたすφ(a)∈Bが存在する

 

「1つの人間は理性的な動物である」

1つの人間(少なくとも1個であり,1個とは限らない):自由変項 a∈A

理性的な: φ

理性的な動物: φ(a)∈B

 

 語感としては「1つの人間」というのはおかしな表現だが,「1つ」と「1個」を区別するためにそうした.因みに,1つとは順序数であり,1個とは計量数を指す.

「順序数が1で計量数が3のもの」つまり,3個のものを1つと呼んでいる.これは重要な概念で,たとえば直積集合から集合への写像でその元が構成されるとき,そのような元の個数は1つであり,計量数は2個である.さらに,それらが結合律をみたすときの個数は3個である.すなわち,3個の元を1つと順序付けたということである.つまり,群を定める中で,2個の元を1つといい,そのような1つの元を3個考えて,またそれらを1つの塊と看ている,ということがわかる.